お中元をもらったらお返しは必要?お礼マナーとお礼状の例文

お中元をもらったらお返しは必要?お礼マナーとお礼状の例文

夏になると、親戚や会社の方からいただくお中元。はじめてやり取りする場合は「御礼はどうやって伝えればいいんだろう」「お返しは必ず贈らないといけないのかな」と悩んでしまいますよね。

今回は気になるお中元のお返しマナーと、シチュエーション別に使えるお礼状の例文をご紹介します。

お中元は基本的にお返し不要

お中元は基本的にお返し不要

そもそもお中元とは、特別にお世話になった方や目上の方に向けて「年始からの半年間お世話になりました」という感謝の気持ちや、暑い季節に相手の体調を気遣う意味を込めて贈るものです。

本来は「目下から目上へ」贈るものなので、基本的にはお返しは必要ありません。とはいえ、お相手との関係性やいただいた品物の金額によっては、お返しを贈ったほうが良いこともあります。

一方、公立学校の教師や政治家などの公務員は、金銭や物品を受け取ることが固く禁じられています。受け取ることができない立場の方にお返しを贈ることは迷惑になりますので、トラブル防止のためにも事前にお返しを贈ってよいか聞いておくと安心です。

必ずお礼の言葉を伝える

必ずお礼の言葉を伝える

お返しの品を贈る・贈らないにかかわらず、お中元を受け取ったことの報告とお礼の気持ちは何らかの形で必ず伝えるのがマナーです。

親しい間柄の人には電話やメールでもかまいませんが、目上の方や特にお世話になった方には直筆でお礼状を書きましょう。お礼状の例文は記事後半でご紹介します。

電話やメールでお礼を伝える場合は、受け取った当日中に連絡するのが理想です。お礼状もその日のうちに書いて投函できるのがベストですが、遅くとも3日以内には出すようにしましょう。

お中元のお返しマナー

基本的には不要とはいえ、お中元のお返しを贈ること自体はマナー違反ではありません。日頃特にお世話になっている方や、お中元をいただきすぎていると感じた場合などは、ぜひお返しの品物を贈りましょう。お返しを贈るときに気をつけたいのは次の4点です。

  • お返しを贈る時期
  • 送り状を添える
  • お返しの金額
  • 自分が先にお中元を贈っていた場合

お返しを贈る時期

お中元のお返しマナー:お返しを贈る時期

お中元のお礼は、受け取ってから遅くとも3日以内に伝えるのがマナーです。お中元をいただいたら、お返しの品物より先にお礼状を出しましょう。

お返しの品物とお礼状を一緒に贈る方法もありますが、お返しの品を1,2日ですぐに贈ってしまうと、お相手に「気を使わせてしまったな」と思われる可能性があります。

お返しの品物を吟味して選ぶという意味でも、お礼状を送ってから1週間程度は空けて贈るのがおすすめです。時間が空いたためにお中元の時期が過ぎてしまった場合は「暑中見舞い」または「残暑見舞い」として贈るようにします。

送り状を添える

お中元のお返しマナー:送り状を添える

お返しにはお礼状とは別に「送り状(挨拶状・添え状)」を添えます。近年はお店や通販サイトで用意してくれるところも増えてきていますが、目上の方に贈る場合は手書きするのが無難です。

お中元へのお礼は先に出した「お礼状」で済ませているため、送り状は時候の挨拶やお相手の健康を気遣う言葉を添えたシンプルな文面で作成しましょう。

送り状を品物と一緒に贈るのが難しい場合は、送り状が品物より先に届くよう手配します。このとき、お相手が不在で受け取れなかったり、冷蔵庫の容量がいっぱいで保存場所に困ったりすることがないように「何が・いつ頃届くか」を記載しておくと丁寧です。

お中元のお返しマナー:お返しの品物にかける金額

お返しの金額は、いただいた品物の半額程度が一般的です。親しい友人や親戚などで贈り合う場合は同額程度の品物でもかまいませんが、自分と立場が同等ではない人(目上の方・目下の方)には「いただいたものより安価なもの」を贈るようにしましょう。

いただいた品物より高価なものを贈るのは「次からお中元は贈っていただかなくて結構です」という意味になり、大変失礼に当たりますので要注意です。

自分が先にお中元を贈っていた場合

お中元のお返しマナー:自分が先にお中元を贈っていた場合

お相手からお中元が届くよりも前にこちらからお中元を贈っていた場合も、お礼状は必ず出しましょう。お礼状は単に感謝の言葉を伝えるだけでなく「確かに品物を受け取りました」という報告も兼ねているためです。この場合はお返しの品を再度贈る必要はなく、お礼状だけでかまいません。

お返しの品物に付ける「熨斗(のし)」の書き方

お中元のお返しの品物に付ける「熨斗(のし)」の書き方

お返しの品物には、お中元と同じように「のし紙」を付けます。水引は「紅白の蝶結び」を選び、中央には表書きと贈り主の名前を書きましょう。

親戚や義両親など「家」同士でお付き合いしている場合は、基本的に世帯主の名前にします。夫婦連名にする場合、苗字は夫側のみでかまいません。会社名義の場合は会社名・役職・氏名を正確に記載しましょう。

表書きは、お中元の時期の間は「お中元」または「御中元」ですが、お中元の時期を過ぎてから立秋までの間は「暑中御見舞」、立秋を過ぎたら「残暑御見舞」とします。

ただし、「御見舞」というのは本来立場が同等または目下の人に使う言葉ですから、目上の方には「暑中御伺」「残暑御伺」などとすると良いでしょう。

関係性お中元の時期立秋まで立秋の後
同等・目下の方お中元・御中元暑中御見舞残暑御見舞
目上の方お中元・御中元暑中御伺残暑御伺

お中元の時期は地域によっても差があるため、お相手の地域の風習を確認してから表書きを決めると良いでしょう。地域ごとの大まかなお中元の時期はこちらで解説しています。

【2023】お中元・夏ギフト特集│気になるマナーと選び方【2024】お中元・夏ギフト特集│気になるマナーと選び方

【シチュエーション別】お中元のお礼状例文

お中元のお礼状には厳密な決まりはありませんが、基本的な構成に沿って書くのが一般的です。

お中元のお礼状例文
  1. 頭語(拝啓・謹啓など)
  2. 時候の挨拶(〇〇の候など、季節に応じた挨拶の言葉)
  3. お相手の近況をたずねる言葉
  4. いただいたお中元へのお礼
  5. お相手の健康を気遣う言葉
  6. 結びの言葉
  7. 結語(敬具・謹言など)
  8. 日付・署名

シチュエーション別に例文をまとめましたので、何をどう書いたらいいかわからないという方は参考にしてください。

親戚など親しい人

拝啓
盛夏の候 皆様お元気でいらっしゃいますか
このたびはお心のこもったお品をありがとうございました
これからますます暑くなりますので
お体には十分お気をつけください
まずは書中にてお礼申し上げます
敬具
拝啓
向暑の候 皆様お変わりありませんか
このたびは嬉しいお心遣いをいただきありがとうございました
早速家族で賞味させていただきました
今年は例年にない暑さが続くそうですから
体調には十分お気をつけてお過ごしください
敬具
拝啓
厳しい暑さが続いていますが お変わりなくお過ごしですか
このたびはご丁寧にお中元の品をいただきまして
誠にありがとうございました
早速家族全員でおいしくいただきました
まだまだ厳しい暑さが続くようですので
どうぞご自愛くださいね
取り急ぎお礼まで
敬具

ビジネス

拝啓
酷暑の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
このたびは結構なお品をご恵贈いただき
誠にありがとうございました
早速社員一同でおいしく頂戴いたしました
暑さまだ厳しき折 皆様くれぐれもご自愛くださいませ
取り急ぎ書中にて御礼申し上げます
敬具
拝啓
猛暑の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます
さて このたびはお心尽くしのお品をいただきまして
誠にありがとうございます
身に余るお心遣いに大変恐縮に存じます
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます
略儀ながら書中にて御礼申し上げます
敬具
謹啓
大暑の候 貴社におかれましては

ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別なご高配を賜り 厚く御礼申し上げます
このたびはお心尽くしのお中元をいただきまして
誠にありがとうございました
いつも細やかなお心遣いをくださり
社員一同大変感謝しております
これからますます本格的な暑さになってまいりますが
皆様のご健勝と貴社のご繁栄を心よりお祈り申し上げます
まずは書中をもちまして御礼申し上げます
謹言

お返しの品を贈る場合

拝啓
暑さ厳しき折 いかがお過ごしでしょうか
おかげさまでこちらは家族一同つつがなく過ごしております
先日はお中元のお品をいただき
誠にありがとうございました
日頃のお礼とご挨拶を兼ねて
お飲み物一箱を〇〇日到着予定でお送りいたしました
心ばかりの品ではございますが
お受け取りいただければ幸いです
暑い日が続きますので どうぞご自愛ください
今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます
敬具
拝啓
暑さ厳しい毎日ですが 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか
このたびは丁寧なお心遣いをいただきまして
誠にありがとうございます
早速家族一同でおいしく頂戴いたしました
心ばかりではございますが
〇〇デパートより△△△をお送りいたしました
ご笑納いただければ幸いです
まだしばらくは厳しい暑さが続きますから
皆様くれぐれもご自愛くださいませ
まずは書中にてご挨拶申し上げます
敬具