何を書く?返事は必要?寒中見舞いの書き方と返信マナー【例文あり】

何を書く?返事は必要?寒中見舞いの書き方と返信マナー【例文あり】

現在では「年賀状の代わりに出すもの」というイメージが強い寒中見舞い。年賀状に比べて書いたりもらったりする機会が少ないため、どんなことを書けばいいのか戸惑う人も多いかもしれません。

今回は、寒中見舞いの基本的な書き方や、先方から寒中見舞いをいただいたときの返信マナーについてご紹介します。寒中見舞いを送る時期や出し方についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

寒中見舞いはいつからいつまで?適切な時期と出し方マナー寒中見舞いはいつからいつまで?適切な時期と出し方マナー

寒中見舞いの基本的な書き方

寒中見舞いの基本的な書き方

寒中見舞いは「年賀状の代わり」として使われがちですが、書き方や内容は年賀状とは異なります。まずは基本的な書き方について見ていきましょう。

句読点は使わない

寒中見舞いに限らず、季節の挨拶状には「(関係の)区切り、終わり」を連想させる句読点は使わないのがマナーです。句読点を使う代わりに、一文字空けることで読みやすくします。

寒中見舞いに書く内容

寒中見舞いに決まった形式は特にありませんが、一般的には次のような内容を書きます。

  • 季節の挨拶(「寒中見舞い申し上げます」などの定型文)
  • 先方の安否を気遣う言葉
  • 自身の近況
  • 日付

寒中見舞いと年賀状とは別物なので、新年を祝う言葉を入れる必要はありません。むしろ、自分や先方が喪中のために寒中見舞いを送る場合は「お祝い」の言葉を使わないように注意しましょう。

さらに、どのようなシチュエーションで寒中見舞いを送るのかによって、お詫びやお悔やみの言葉を添えることもあります。詳しくは後半のシチュエーション別例文をご参照ください。

寒中見舞いに返信は必要?

寒中見舞いに返信は必要?

先方から寒中見舞いをいただいたとき、返信が必要かどうかは状況によって変わります。

自分か先方のいずれかが喪中のとき

自分か先方のいずれかが喪中で、先方から年賀状が来ていない場合、その寒中見舞いは「年賀状の代わり」として送られてきたものです。先方が喪中であることを知らずに年賀状を出していた場合は、お詫びの意味も込めて必ず返信するようにしましょう。

また、こちらが喪中であることを先方が知らずに年賀状を出し、その後お詫びとして寒中見舞いが送られてくることもあります。このような場合も、相手を気遣う意味を込めて返信しておくと丁寧です。

自分は年賀状を送っていて、先方から年賀状が届かなかったとき

お互いに喪中でないにもかかわらず先方から年賀状が届かなかった場合、その寒中見舞いは「自分が送った年賀状への返信」として送られたものです。このような場合は返信しなくてもかまいません。

年賀状とは関係なく寒中見舞いが届いたとき

これは珍しいケースですが、年賀状のやり取りをした(またはお互いに年賀状を送らなかった)にもかかわらず寒中見舞いが届くことがあります。

この場合は寒中見舞い本来の意味である「季節の挨拶状」ということになるので、こちらから寒中見舞いを送っていなければ返信するようにしましょう。

ラインやメールで返信してもいい?

ラインやメールで返信してもいい?

ごく親しい友人や家族ならば、寒中見舞いの返信にラインやメールを使ってもかまいません。ただし、先方が喪中の場合や、上司など目上の方の場合ははがきや手紙で送るのが無難です。

取引先などにビジネスメールとして寒中見舞いを送る場合は、迷惑メール等と間違われないよう件名に「〇〇より寒中お見舞い」「寒中お見舞い申し上げます(〇〇より)」などとわかりやすく書くようにしましょう。

【シチュエーション別】寒中見舞いの例文

「具体的に何をどう書いたらいいのかわからない」という方に向けて、シチュエーション別の例文をご用意しました。例文は参考程度にとどめ、ぜひあなたらしい言葉を加えてみてください。

年賀状を出しそびれたとき

先方からいただいた年賀状への返信として出す場合は、いただいた便りへのお礼と、年賀状を出しそびれたことへのお詫びの言葉を入れましょう。

寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年賀状をいただき ありがとうございました
ご挨拶が遅れてしまいましたこと どうぞお許しください
ご家族皆様お元気でお過ごしとのことで何よりです
私どももおかげさまで変わりなく過ごせております
本年も変わらぬお付き合いの程 よろしくお願い申し上げます
寒中お見舞い申し上げます
このたびはお年賀のご挨拶をありがとうございました
〇〇〇〇(遅れた理由)のため ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありません
皆様におかれましては良いお年を迎えられたましたご様子 心からお慶び申し上げます
今年も何卒よろしくお願い申し上げます
寒さ厳しき折 どうかご自愛ください

喪中はがきが間に合わないとき

年末近くに喪中になり先方にお知らせする暇がなかった場合、連絡が遅くなったことのお詫びを入れるとスマートです。故人が先方と交流があったなら、生前のお付き合いのお礼も添えましょう。

寒中見舞い申し上げます
早々に新年のご挨拶をいただきまして ありがとうございました
昨年◯月◯日に(続柄・個人名)が他界しましたため
年始のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたこと どうぞお許しください
本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます
まだまだ寒い日が続きますが どうかお体ご自愛ください
寒中御見舞申し上げます
皆様におかれましては お健やかに新年を迎えられたご様子 何よりと存じます
(続柄・個人名)の喪中のため 年始のご挨拶を差し控えさせていただき 失礼をいたしました
ご通知が遅れましたこと お詫び申し上げます
〇〇が生前に賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに
皆様の一層のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
寒さも一段と厳しくなってまいりましたので
どうかお体を大切にお過ごしくださいませ
寒中見舞い申し上げます
先日はご丁寧な念頭のご挨拶を頂戴し 誠にありがとうございます
(続柄・個人名)は昨年◯月に他界いたしました
ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げますとともに
故人との生前のご厚誼に心より御礼申し上げます
私どもは元気に過ごしておりますので ご安心ください
世間では流感が猛威をふるっておりますが
くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます

先方が喪中であるのに年賀状を出してしまったとき

本来、喪中の方に「お祝い」の意味が強い年賀状を送るのは避けるべきです。必ず「年賀状を出してしまったことに対するお詫び」の言葉を入れるようにしましょう。

先方から連絡が来ていなかったのか、こちらのミスでうっかり年賀状を出してしまったのかによってお詫びの言葉が変わります。

寒中御見舞申し上げます
厳寒の候 いかがお過ごしでしょうか
先日は〇〇様の喪中にもかかわらず年賀状をお送りし 大変失礼いたしました
ご家族の皆様にも 心よりお詫び申し上げます
まだまだ寒い日が続く様子ですので どうぞ御身を大切に お元気でお過ごしください
寒中お見舞い申し上げます
〇〇様ご逝去とのこと 存じ上げなかったとはいえ 新年のご挨拶を申し上げ失礼いたしました
お悔やみが遅れましたことをお詫び申し上げますとともに
〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
ご家族の皆様におかれましては さぞかしご傷心のことと存じますが
何卒お身体を大切にお過ごしくださいませ

先方から喪中はがきや寒中見舞いをいただいたとき

いただいた寒中見舞いへの返信として出す場合、便りへのお礼を一言添えます。返信として送るので、先方の寒中見舞いを見たことが伝わる言葉を入れるのがおすすめです。

寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中とのこと 念頭のご挨拶はご遠慮させていただきましたが
皆様いかがお過ごしでしょうか
寂しさも相まって この冬は寒さもひとしおかと存じます
まだまだ寒い日が続きますが 皆様お元気でお過ごしください
今年も何卒変わらぬご厚誼の程 よろしくお願い申し上げます
寒中御見舞申し上げます
〇〇様のご服喪中と存じ 年始のご挨拶はご遠慮させていただきました
ご家族の皆様におかれましては お寂しい毎日をお過ごしのこととお察しいたします
〇〇様には大変なご厚情を賜りながら お返しもできないままこのようなことになり
後悔の念に絶えません
今は〇〇様のご冥福をお祈りするばかりです
厳寒の折から くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます
寒中見舞い申し上げます
ご丁寧な寒中見舞いをいただき ありがとうございます
例年にない厳しい寒さですが お変わりなくお過ごしとのことで何よりでございます
おかげさまで私どもも変わりなく過ごしておりますので
他事ながらご休心ください
寒さはもうしばらく続くかと思いますが 風邪など召されませんようご自愛ください
本年もよろしくお願い申し上げます

書き方とマナーを押さえて寒中見舞いを送ろう

寒中見舞いは「年賀状が出せなかったときの代わり」として使われがちですが、厳しい寒さの中、先方を気遣ってあたたかい言葉を送るのが本来の趣旨です。

今回ご紹介した書き方や例文を参考に、心の通う言葉のやり取りを楽しんでみてはいかがでしょうか。