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切れ味抜群!ステンレス包丁の手入れ・研ぎ方

【初心者でも簡単】ステンレス包丁の手入れ・研ぎ方

コロナ自粛の影響で自炊をする人が増えた結果、包丁を新たに購入する人も増えました。

「はじめのうちはスパスパ切れていたけれど、最近切れ味が悪くなってきた……」「ステンレスだから大丈夫だと思っていたのに、いつの間にかサビが……」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

今回は、ステンレス包丁のお手入れ方法についてご紹介します。

正しい方法でお手入れすれば、お気に入りの包丁も買い替え無しで長く使い続けることができますよ。

ステンレス包丁の特徴

ステンレス包丁の特徴

ステンレス包丁はプロが多く愛用する鋼(ハガネ)製よりもサビにくく、セラミック製に比べて刃こぼれしにくいため、一般的なご家庭で使うなら「扱いやすさ」の面でとても優秀です。

包丁の種類ハガネステンレスセラミック
サビにくさ
研ぎやすさ
切れ味
欠けにくさ

セラミック包丁はステンレス包丁よりサビにくく切れ味も良いのですが、非常に欠けやすく大きくて固いものは切りにくいため「これ1本でOK」と言える万能包丁ではありません。

手入れがしやすくどんな料理にも使えるステンレス包丁なら、お手入れの仕方を覚えればお気に入りの1本を長く使うことができます。

普段のお手入れ・洗い方

普段のステンレス包丁のお手入れ・洗い方

ステンレスは他の金属に比べてサビにくい素材ですが、まったくサビないというわけではありません。特に酸・アルカリ・塩分は大敵です。使い終わったら毎回すぐに洗うようにしましょう。

中性の食器用洗剤を使い、刃の背(峰)側からスポンジで挟んで刃先にむけて擦ります。刃の腹側(切れる方)からスポンジを当てるのはケガの恐れがあり大変危険です。また、このとき滑らないようにしっかり柄を握りましょう。

片手で持ちながら洗うのが難しい場合は、まな板など平らな面に刃の部分を置きながら擦ると安定します。

次に、柄の部分もしっかり洗います。案外忘れがちですが、食材などに触れた手で握った柄にもたくさん汚れが付いています。汚れが残りがちな柄と刃のつなぎ目部分もしっかり洗いましょう。

洗剤を水ですすぎ終わったら、清潔な布やペーパータオルで水分を拭き取って自然乾燥させます。長時間水気が残っていると雑菌の繁殖やサビの原因となるので、柄の部分も含めしっかり拭き取りましょう。

木製の柄は高温にさらされると傷んでしまうため、柄の部分もステンレスになっている一体型(オールステンレス包丁)、または食洗機対応と明記されている包丁以外は乾燥機に入れないように注意してください。

衛生面が心配な場合は、洗い終わりに仕上げで熱湯をかけて消毒すればOK。乾きも早くなります。

ステンレス包丁のサビ取り方法

ステンレス包丁のサビ取り方法

ステンレス包丁のサビ原因は汚れや水分だけではありません。他の金属に長く触れていると、その金属がサビることで「もらい錆」ができてしまうことがあります。もし万が一サビがついてしまったら、重曹やクレンザーを使って落としましょう。

包丁を軽く水で濡らし、重曹またはクレンザーをサビの周りに乗せます。スポンジやふきんを使ってサビ部分をゴシゴシ擦りましょう。ナイロンスポンジを使う場合は硬い方の面を使ってください。ちなみに、ワインのコルク栓を使うこともできます。この場合はクルクルと円を描くように擦って落とします。

サビを落とし終わったら、重曹やクレンザーの成分が残らないようにしっかり水で洗い流します。あとは普段のお手入れと同じようにしっかり拭いて乾燥させればOKです。

サビは放置しておくとどんどん深くまで侵食していき、クレンザーなどで擦るだけでは落とせなくなってしまいます。サビに気づいたら早めに落としてあげましょう。

ステンレス包丁の研ぎ方

シャープナーより砥石がおすすめ

シャープナーより砥石がおすすめ

初心者でも簡単に包丁を研げるアイテムとして人気なのが「シャープナー(包丁研ぎ器)」。使い方が簡単で100均でも手に入るため、愛用している方も多いかもしれません。しかし、これはあくまで一時的に切れ味を復活させるためのものです。

シャープナーは包丁の刃先だけを削り取るようにして研ぐため、使うとが薄くなり刃こぼれしやすくなってしまうのです。

砥石を使って研いだ場合は刃先の角度を保ったまま切れ味を戻すことができ、シャープナーより刃が長持ちします。

そのため、応急処置ではなく長く使うために包丁を研ぎたい!という場合は、砥石を使って研ぐことをおすすめします。

砥石の選び方

砥石の選び方

砥石は大まかに分けると荒砥石・中砥石・仕上げ砥石の3種類があります。

番手(ばんて)」という数字が小さいほど砥石の粒度が荒く、大きいほど粒度がきめ細かくなります。

大手刃物メーカーの貝印では以下のように解説されています。

砥石の種類荒砥石中砥石仕上げ砥石
番手の目安#300~400#800~1000#2000~3000
用途・刃こぼれや傷などを補正するとき
・サビを削り取るとき
・普段の研ぎ直し・中砥石での砥ぎ直し以上に切れ味を求める場合
参考 包丁のよくあるご質問貝印

使い分けができるに越したことはありませんが、一般的なご家庭では中砥石がひとつあれば十分です。#1000程度を目安に探してみてください(メーカーによって荒砥・中砥・仕上げ砥の基準は若干変わりますが、番手による粒度は共通です)。

砥石は使ううちに面がすり減って研ぎにくくなっていきます。砥石を平らにするのに使う「面直し砥石」かコンクリートブロックを合わせて用意しておくといいでしょう。

角度に気をつけて片面ずつ研ぐ

砥石を水に浸す

では実際に研いでみましょう。まずは砥石を洗面器やボウルを使って10~20分程度水に浸します。

※ものによって扱いが異なる場合がありますので、砥石に付属の取扱説明書に従ってください。

オモテ面を研ぐ

45°

砥石が滑らないよう下にふきんなどを敷き、包丁は砥石に対して45°になるように持ちます。

砥石に当てる刃の部分は約15°(割り箸1本分程度)に固定し、手前から奥へ軽く押し出すように研いでいきます。慣れないうちはこの角度を保つのが難しいですが、初心者向けに「角度固定ホルダー」という商品があるのでぜひ活用してください。

15°

刃の先端、中心、根本の3箇所に分け、研ぎたい場所に指を添えながら順番に同じ回数ずつ研ぎます。10~20回程度が目安です。研いでいるうちに削れた砥石が水と混じって泥のようになってきますが、これは洗い流さずそのままにしておきます。

「バリ」という刃のめくれが出ればOKです。バリができているかどうかは、刃先に側面から指を当ててみて軽い引っかかりを感じるかどうかで確かめられます。刃先から根本までしっかりバリができたら反対面も研いでいきます。

ウラ面を研ぐ

刃の面をひっくり返して刃を逆側に向けたら、オモテ面と同じく砥石に対して45°と15°の角度を保ちます。

研ぎ方も同様で、こちらもしっかりバリができるまで研いでいきます。

バリを取る

もう一度オモテ面にします。角度を15°に保ちながら、根本から先端にかけて軽く滑らせバリを取ります。

または、新聞紙で擦って除くこともできます。机など平らな面に新聞紙を広げ、数回擦るとバリが取れます。

研ぐ頻度は月に1~2回を目安に

毎日料理をするご家庭では、研ぐ頻度は月に1~2回で大丈夫です。定期的にお手入れしてあげるのが一番ですが、なかなか時間が取れない場合は「切れ味が落ちてきたかも?」と感じたタイミングで研ぐのもいいでしょう。

トマトがべちゃっと潰れてしまう、鶏肉の皮がうまく切れない、玉ねぎのみじん切りが目に染みる……などなど、切れ味低下のサインが出てきたら研ぐようにしてみてください。

ステンレス包丁の寿命はどれくらい?

ステンレス包丁の寿命はどれくらい?

「包丁は切れ味が悪くなったら研がずに買い換える」という方も多いですが、ステンレス包丁は研ぎ直して使うとどれくらい長持ちすると思いますか?

使用する頻度やお手入れの仕方にもよりますが、”刃がすり減って本当に使えなくなるまで”という基準で考えるなら、20年、30年、40年……と長期間使うことができるのです。

一般的なご家庭ではこまめに研ぎ直しても刃渡りはそれほど短くならないので、使うのに不便な長さになるまでは買い替えなくても良いということになります。

包丁を長持ちさせるコツ

間違ったお手入れや使い方をすると、大きなダメージを与えてしまいます。

ここまでご紹介したお手入れ方法に加え、以下のことに気をつけるとより包丁を長持ちさせることができますよ。

冷凍した食材や硬い骨は切らない

カチカチに凍った食材や、魚や動物の硬い骨を切ると刃こぼれの原因になります。

修復できないほど大きく欠けてしまう場合もあるので、冷凍食品は切る前に解凍する、硬いものには専用の器具を使うなどしましょう。

左右に動かさない

野菜などを切っているとき、硬い部分に刃が当たって抜けなくなってしまうことがあります。

このとき左右に動かして無理やり引き抜こうとすると、刃が歪む原因となります。慌てずゆっくり前後に動かしながら引き抜きましょう。

硬いまな板は使わない

一般的なまな板はある程度弾力があり、包丁の刃に加わるダメージは少ないです。

しかし、いわゆる「カッティングボード」はまな板よりも硬い素材で作られているため、刃こぼれの原因となります。

長期保存するときは?

毎日使いではない包丁は、保管時にひと手間加えることで簡単にサビ防止ができます。

刃物用のメンテナンスオイルやサラダ油などの植物性オイルを塗っておくと、油の膜がサビの原因になる水分や酸素との接触を防いでくれます。

オイルを塗った包丁は購入時のケースなどではなく、湿気を取ってくれる新聞紙に包んでおくと良いでしょう。

さいごに

ステンレス包丁のお手入れ方法についてご紹介しました。

包丁研ぎは何回も研ぐことで慣れが必要ですが、近年ではオンラインで包丁の研ぎ方を習えるサービスもあります。

参考 東京・オンライン開催の包丁の研ぎ方講座ストアカ

また、自分でやるのはやっぱり手間だという場合はホームセンターやネットで依頼することもできます。

一度切れ味のよみがえった包丁を使ってみるとお手入れのモチベーションも上がりますので、ぜひ試してみてください。