「とりあえずビールでいいよね?」飲み会に行くと、必ずといっていいほど聞かれるこの質問。堂々と「はい」と言えたらいいのに……と悩んでいる人も多いことでしょう。
本当は苦手なのに、「飲めないと周りに笑われるから」「付き合いでしかたなく」飲んでいる人も多いビール。どうせ飲むならおいしく楽しめるようになりたいですよね。
今回は、苦手な人や初心者さんもおいしくビールを楽しめるようになる飲み方のアイデアを8つご紹介します!
ビールを「まずい」と感じる3つの理由
「そのうちおいしく飲めるようになる」とは聞くものの、一向にビールの「おいしさ」がわかる気がしない……という人も多いはず。
では、そもそもビールを「まずい」と感じてしまうのはなぜでしょうか。
「苦味」が苦手
ビールは「苦味」が特徴的なお酒です。苦味は「毒の味」として本能に刻まれているので、「苦い=体に良くないもの=まずい」と感じるのはある意味当然のことといえます。
年齢を重ねるとともに苦味をおいしく感じるようになることが多いのですが、大人になっても苦いものが苦手な人は少なくありません。
「炭酸」が苦手
ビールは炭酸のシュワシュワ感も魅力のひとつです。とはいえ、炭酸飲料そのものが苦手な人にとっては、この「シュワシュワ」が悩みの種。
好きな人には心地よく感じられる炭酸も「口やのどがピリピリ痛い」「ゲップが出ると鼻がツンとする」といった理由で苦手な人がたくさんいます。
はじめて飲んだビールが口に合わなかった
ビールは原料や製造法によって風味が大きく変わる飲み物です。ビールならではの苦味が強いものもあれば、フルーティーでほのかに甘味が感じられるものもあります。
「人間は第一印象が9割」などといったりしますが、これは食べ物や飲み物でも同じこと。はじめて飲んだビールがたまたま口に合わなかったせいで「ビール=まずい」というイメージが刷り込まれてしまっているのかもしれません。
はじめからビールが飲める人は多くない!
「みんなはおいしそうにゴクゴク飲んでいるのに、どうして自分はビールが飲めないんだろう」と悩む人は少なくありません。しかし実は、現在ビールが飲める人のなかでも「はじめからビールを飲めた人」は44%と少数派です。
飲めるようになった人の声を見てみると「いつの間にか慣れて飲めるようになった」という人が多いのですが、中には「飲めるように訓練した」という人も。
本能で「まずい」と感じるビールをおいしく飲めるようになるには、多かれ少なかれ“練習”が必要だと考えるべきなのかもしれません。
苦手なビールを克服!初心者でもできる8つの方法
「そうはいっても、苦手なものをわざわざ飲むのはイヤだ!」と思ってしまいますよね。
ここからは、「慣れるまでがんばる」という根性論ではない方法で、ビールがおいしく感じられる飲み方のアイデアをご紹介します。
ベストな方法は人それぞれなので、自分でもできそうだなと思えるものから試してみてください。
割り箸でかき混ぜてみる
グラスなどに注いだ炭酸飲料を割り箸でかき混ぜると、通常より早く炭酸を抜くことができます。
ただ、お行儀はあまりよろしくないので目上の方も参加するような会社の飲み会には不向きです。親しい友人やサークル仲間など、気が許せる人たちとの飲み会で試してみましょう。
キンキンに冷やしてみる
ぬるいビールは苦味を強く感じてしまうため、飲む前にしっかり冷やしておきましょう。銘柄にもよりますが、ビールのおいしい飲みごろ温度の目安は6~8℃とされています。
ただし、ビールは凍らせると変質して風味が落ちてしまうので、冷凍庫で冷やすのはNG。
買ってきたばかりのビールを早く冷やしたいときは、ボウル1杯の氷水に塩を小さじ2杯程度加えたものを用意します。
缶や瓶をひたしておけば、5分程度でしっかり冷えるのでおすすめです。
のどがカラカラに乾いた状態で飲んでみる
のどがカラカラに乾いているときは、普段は飲まないような生ぬるい水でもゴクゴク飲めてしまいますよね。
運動後やお風呂上がりなど、あえてのどが渇いた状態にしてからビールを飲むと、いつもよりおいしく感じられるかもしれません。
「夏場の風呂上がりにたまらなくおいしい飲み物」に関するアンケートでも、ビールは堂々の2位にランクインしています。
ただし、アルコールには利尿作用があるため、ビールをどれだけ飲んでも「水分補給」したことにはなりません。
必ずビール以外に水やソフトドリンクを用意して、極度の脱水状態にならないように気をつけましょう。
口の中にためずに、グビッと飲み込んでみる
苦手な飲み物はつい「ちびちび」と舌をぬらすように飲んでしまいがちですが、この飲み方だとビールの苦味が強調されてしまいます。
実は、ビールが好きな人でも「ビールは『味』ではなく『のどごし』を楽しむもの」「ちびちび飲むビールはおいしくない」と思っている人が多いのです。
「舌」ではなく「のど」で味わうつもりで、苦味を感じる前にグビッと飲み込んでしまいましょう。
ストレスや疲れが溜まったときに飲んでみる
人間の味覚は体や心の状態によっても変化します。一日中体を動かして疲れた日や、仕事のイライラがたまっているときに飲むと、苦手だったビールの苦味がいつもよりおいしく感じられるかもしれません。
ストレスを感じると、唾液中に特殊なタンパク質が増え、舌にある苦味受容体が塞がれるため、一時的に苦味を感じにくくなるからです。
苦味をもたらす成分には、ストレス解消に役立つはたらきがあるため、体は、それらをたくさん取り入れようとしているのです。
日本成人病予防協会「苦味 ~おいしさの秘密~」
「おいしい」と思えるビールを探してみる
味の好みがひとりひとり違うように、「口に合うビール」も人によってさまざま。
CMでよく聞く有名メーカーの銘柄でも「〇〇はまずいから絶対飲まない」というビール好きさんもいるほどです。
ビールは世界中で作られているので、外国産のビールも入れれば選択肢は無限大。いろいろ飲み比べて「これならおいしい」と思えるものを探してみましょう。
初心者でも飲みやすいとよく言われるビールの種類は以下のようなものです。
- ホワイトビール:「白ビール」「小麦ビール」とも呼ばれる。苦味が少なく、フルーティーでさっぱりした甘味が特徴。
- フルーツビール:ビールを醸造する過程でフルーツの果実や果汁を使用したもの。苦味が苦手な人には、イチゴやカシスなどのベリー系がおすすめ。
- エールビール:一般的な「ラガービール」に比べ、苦味を感じにくいものが多い。
- ギネスビール:エールビールの一種。真っ黒な色と豊かな香り・コクが特徴。一般的なビールに比べ炭酸の刺激が穏やか。大きく分けると「スタウト」「ドラフト」の2種類があり、「ドラフト」は苦味も少なく初心者向き。
ちなみに、ビールのラベルに記載されている「IBU」は、苦味の強さを示す単位です。IBUが低ければ低いほど苦味が少ないので、選ぶときの参考にしてみてください。
「ビアカクテル」にしてみる
試してみたいビールが近所のお店で取り扱っていない場合は、他の飲み物と割って作る「ビアカクテル(ビールカクテル)」に挑戦してみましょう。
缶や瓶を買うのと違って、できあがりの量や割合を自分で調節できるのが大きなメリットです。
ビールが苦手な人でも飲みやすそうなビアカクテルのレシピをまとめました。
レッドアイ
レシピはビールとトマトジュースを「1:1」で混ぜるだけ。レッドアイはビアカクテルの定番で、ビールの苦味がトマトの酸味によってマイルドになります。
シャンディガフ
こちらもビアカクテルの定番。ビールとジンジャエールを「1:1」で混ぜれば完成です。ジンジャエールのスパイシーな風味とほのかな甘味が、ビールの苦味を和らげてくれます。
ビターオレンジ
ビールとオレンジジュースを「1:1」で割ったもの。オレンジの酸味と柑橘系の爽やかな香りですっきり飲むことができます。
コークビア
ビールとコーラを「1:1」で割ったもので、別名「ディーゼル」。コーラの甘さとすっきりした飲み口が特徴で、海外ではレストランでもよく提供されます。
ダブルカルチャード
ビールとカルピスの原液を「5~6:1」の割合でブレンドしたもので、「カルピスビア」ともいいます。
ダブルカルチャードは2011年にカルピスの社員さんが考案したレシピで、ビールとカルピスという2つ(ダブル)の発酵(カルチャード)飲料を組み合わせたことが名前の由来です。
カシスビア
ビールとカシスリキュールを「3~4:1」の割合でブレンドしたもの。カシスのフルーティーな香りと甘味により、女性でも飲みやすい味になります。
ただし、ビールをそのまま飲むよりアルコール度数は高くなるのがネック。飲みやすくなる分、お酒に弱い体質の人は飲みすぎないように注意しましょう。
新鮮な「生ビール」を飲んでみる
これまで缶や瓶のビールしか飲んだことがないという人は、お店で「生ビール」を飲んでみてください。
ビールには「缶ビール」「瓶ビール」「生ビール(樽生)」の3タイプがあり、この中でもっともおいしいと言われるのが「生ビール」です。
ビールは空気に触れると酸化が進み、どんどん風味が落ちていきます。お店の生ビールはビール樽を直接サーバーにつなぐため、缶や瓶より新鮮な状態で飲むことができます。
また、サーバーで注いだビールは最適な温度と泡立ちになるよう調整されているのも「缶や瓶よりおいしい」と感じる理由のひとつです。
ただし、ビール樽の保管環境や開栓後の扱いはお店によってまちまちなので、「生ビールがおいしい」と評判のところでチャレンジすることをおすすめします。
ビールを克服して、お酒の席を楽しもう!
アルコールそのものが飲めない人が無理をするのは禁物ですが、「おいしくない」という理由でビールを避けている人は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。
カクテルやワインと違って、たいていどんなお店にも置いてあるビール。ビールがおいしく飲めるようになれば、飲み会も心置きなく楽しめそうですね。
ビールのおいしさに目覚めたあとは、缶ビールをおうちで飲む機会も増えるでしょう。そのときは「缶ビールがもっとおいしくなる飲み方」も試してみてくださいね。
いつもの缶ビールでOK!ビールが美味しくなる飲み方6つ