曲げわっぱ弁当箱を長く使うためのお手入れ方法・洗い方のコツ

曲げわっぱ弁当箱を長く使うためのお手入れ方法・洗い方のコツ

杉やヒノキなどの天然木から作られる伝統工芸品「曲げわっぱ」。昔懐かしいアイテムであると同時に「冷めてもご飯が美味しい」「いつものおかずがグレードアップして見える」などの理由から、近年お弁当箱としての人気が再燃しつつあります。

しかし「使ってみたいけど、木製品はお手入れが難しそう……」と感じて手が出せないでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、難しそうで意外と簡単な曲げわっぱのお手入れ方法をご紹介します。

曲げわっぱの種類と特徴

曲げわっぱには大きく分けると3種類あり、それぞれで特徴が異なります。

無塗装(白木)

無塗装(白木)

木の良さを最大限に楽しめるのが、無塗装(白木)の曲げわっぱ。天然の木がご飯の湿度を程よく吸ってくれることで、冷めてもふっくら美味しいご飯が食べられます。また杉やヒノキには抗菌作用がある成分が含まれているため、食中毒が心配な夏場もご飯が傷みにくいです。

無塗装(白木)のメリット

  • ナチュラルな木の香りと見た目が楽しめる
  • 夏は傷みにくく、冬はご飯が固くなりにくい
  • 軽くて丈夫
  • 木製品ならではの経年変化を楽しめる

無塗装(白木)のデメリット

  • 手入れを怠ると黒ずみ・カビができやすい
  • ごはん粒がくっつきやすい
  • 電子レンジは使えないものがほとんど

ウレタン塗装

ウレタン塗装

木のナチュラルな見た目を残しつつ、お手入れもしやすいのがウレタン塗装の曲げわっぱ。ウレタンは樹脂の一種なので、お手入れは普通のプラスチック弁当とほぼ同じ。無塗装(白木)に比べて安価で手に入りやすく、ネットショップ・実店舗ともに数多く取り扱いがあります。お手入れがきちんとできるか不安な初心者さんの「曲げわっぱデビュー」にもおすすめ。

ウレタン塗装のメリット

  • 木のままの見た目が楽しめて、手入れもしやすい
  • 塗装してあるので染みがつきにくい
  • 人気があるので、形や大きさなどバリエーションが豊富

ウレタン塗装のデメリット

  • 天然木の良さである香り・吸湿効果・殺菌作用はほとんどない

漆塗り

漆塗り

漆塗りが施された曲げわっぱは、非常に使い勝手がいいです。塗装してあるので油染みなどがつきにくいうえ、漆を通して木が呼吸できるため、ご飯の美味しさを保つ吸湿効果も得られる「いいとこ取り」が嬉しいポイント。耐久性も優れているので「同じものを長く使いたい」という方には漆塗りもおすすめです。

漆塗りのメリット

  • 漆の抗菌作用で、無塗装(白木)と同じくご飯が傷みにくい
  • お手入れがしやすく、耐久性にも優れている
  • 漆の経年変化が楽しめる
  • 黒ずみや染みが目立ちにくい

漆塗りのデメリット

  • お弁当箱としては高価
  • 淡くナチュラルな色合いではなくなる
  • ごくまれに、肌が弱い人は漆でかぶれることがある

曲げわっぱの洗い方・お手入れ方法

曲げわっぱの洗い方・お手入れ方法

難しく思われがちな曲げわっぱのお手入れですが、基本は「すぐ洗う、よく乾かす」のふたつだけ。種類によってお手入れの仕方が若干変わりますので、注意点をチェックしておきましょう。

(※ここでご紹介しているのはあくまで一般的なお手入れの方法です。購入した商品の取扱説明書やメーカーの推奨方法と異なる場合は、そちらを優先してください。)

お弁当を詰める前に

無塗装の曲げわっぱは、乾燥した状態だとごはん粒がくっつきやすく、洗うときにこびりついて落とすのが大変になります。そこで、お弁当を詰める前にさっと水で濡らしておきましょう。 木が水を吸うことでごはん粒がつきにくくなるだけでなく、おかずの油やニオイを吸収しにくくなる効果も期待できます。濡らしたあとは清潔なふきんで水気を拭き取ればOK。塗装してある曲げわっぱではしなくても大丈夫です。

使い終わったらすぐ洗う

無塗装・塗装に関わらず、使い終わったらなるべく早く洗って乾かすのがポイント。特に無塗装では、お弁当箱を持って帰るのを忘れて一日放置……というのはカビの原因となるため厳禁です。塗装の曲げわっぱでも油断せず、必ずその日のうちに洗うようにしましょう。

無塗装の場合

木が洗剤の成分を吸ってしまうため、洗剤は使わずお湯または水で洗います。5分~10分程度お湯につけて汚れを浮かせたら、やわらかいスポンジでこすり洗いしましょう。長くつけ置きしすぎると形がゆがんでしまう原因になるので、長時間の放置はしないように気をつけてください。

ウレタン・漆塗装の場合

塗装の曲げわっぱなら、洗剤を使ってもOK。やわらかいスポンジと中性洗剤を使って、普通のお弁当箱と同じように洗います。ただし、乾燥機は寿命を縮めるのでNGです。

十分に乾燥させる

洗い終わったらふきんで水気を拭き取り、十分に乾燥させます。このとき、開口部を下に伏せず上向きになるようにしてください。伏せてしまうと底の部分に湿気がたまり、カビや黒ずみの原因となります。ふきんなどをかぶせると結局湿気がたまってしまうので、ホコリが入りそうで気になるという人は伏せずに横向きに置くといいでしょう。洗い終わったあとに40~60℃程度のお湯をかけておくと、気化熱の作用で乾燥が早くなります。

洗い替えを用意し、毎日は使わないようにする

曲げわっぱのお弁当箱が完全に乾くには丸一日以上かかると言われています。乾燥が不十分なままだと黒ずみができやすくなるため、できれば毎日連続して使うのではなく、一日おき程度に休ませながら使うのがベター。ヘビーローテーションを避けることでお弁当箱自体の持ちも良くなります。

カビと黒ずみの違い

毎日気をつけてお手入れしていても、いつの間にか少しずつ黒ずみが発生していることがあります。「これってカビ!?」とびっくりする方もいますが、実はカビと黒ずみは全く違うもので、黒ずみ自体は何の害もありません。しかし、もしも黒い部分が斑点状に広がっていたら、それはカビの可能性が高いです。それぞれの対処法をご紹介します。

黒ずみの原因と取り方

黒ずみの原因は、木に含まれる「タンニン」という成分と、お米のデンプンや野菜などのアルカリ性食品による化学反応です。酢水(酢:水=1:1)を作って30分程度浸けておくと黒ずみが薄くなりますが、完全に取り除くことはできません。使っていくうちにどうしても少しずつ黒ずんでしまいますが、きちんとお手入れしていれば黒ずみがつくスピードを緩やかにできます。

カビが生えてしまったら

洗うのを忘れてしまったり、乾燥が不十分な状態でしまい込んだりしてしまうと、カビが生える原因となります。塗装の曲げわっぱの場合は、中性洗剤でしっかり洗い、仕上げに熱湯をかけて完全に乾かしましょう。無塗装に比べるとカビが奥深くまで入り込みにくいので、気づいた時点で対処すれば間に合う可能性が高いです。

無塗装の曲げわっぱはカビが木肌の奥深くまで入り込んで根を張ってしまうので、残念ながら一度カビが生えてしまったら諦めるしかありません。ちなみに、塗装・無塗装どちらも漂白剤の使用はNGです。

カビ・黒ずみを防ぐ詰め方のコツ

カビ・黒ずみのどちらも、水分と汚れが大きな原因となります。そこで、油や調味料が多いおかずを詰めるときは、キッチンペーパーで余分な分を吸い取るか、カップに入れて直接木肌に触れないようにするといいでしょう。クッキングシートやワックスペーパーなどを敷いておく手もあります。洋風のおかずは油や調味料がたっぷり使われているので、曲げわっぱを使う日は和風のメニューを心がけるのもいいかもしれません

初心者でも扱いやすい!プレゼントにもぴったりな名入れの曲げわっぱ弁当箱

冷めてもご飯が美味しい曲げわっぱのお弁当箱は、家族や友人へのプレゼントとしても人気です。勉強や仕事で毎日がんばるあの人へ、世界にひとつの名入れお弁当箱はいかがでしょうか。初心者でもお手入れしやすく安心して使える商品をご紹介します。

お手入れしやすい天然杉の曲げわっぱ

子どもから大人まで使える「ちょうどいい」サイズが嬉しい、容量500mlのお弁当箱。ウレタン塗装の【白】、漆塗りの【茶】の2種類から選べます。お手入れ方法の説明書も付くから、初めての曲げわっぱデビューにもぴったりです。

食洗機もレンジもOK!曲げわっぱ風弁当箱

毎日忘れずに洗って乾かす工程ができる自信がない、でもわっぱ弁当箱は使ってみたい……という方にぴったりなのがこちら。見た目は曲げわっぱそっくりですが、樹脂製なのでお手入れラクラク。中フタ以外は食洗機もレンジも問題なく使えるので、見た目の雰囲気だけ味わえればいいという方におすすめです。

さいごに

曲げわっぱのお弁当箱は、毎日しっかりお手入れしていても少しずつ色が変わっていきます。これを汚れと取るか、木製品ならではの経年変化と取るかで、愛着の沸き方も変わってくるのではないでしょうか。

きちんとお手入れすれば10年、20年と長持ちする曲げわっぱのお弁当箱。ぜひしっかり使い込んであなただけの「マイ曲げわっぱ」を育ててみてくださいね。

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